(Wordマクロ)行間設定の仕方
段落設定を変更する【行間編】で使っているプロパティについて解説します。その他の段落設定については、逆引き段落設定を参照してください。
このページで解説する項目は次の通りです。上から順番に解説します。
プロパティ
行間設定に使用できるプロパティ(LineSpacingRule)は6種類あります。一部の公式情報には、固定値と最小値の説明が取り違えられていますので、参照される際は注意してください。
プロパティ | 説明 | 間隔の数値指定が可能か |
---|---|---|
wdLineSpace1pt5 | 行間を1.5行に設定する | 不可 |
wdLineSpaceAtLeast | 行間の幅基準を最小値にする | 可 |
wdLineSpaceDouble | 行間を2行に設定する | 不可 |
wdLineSpaceExactly | 行間の幅基準を固定値にする | 可 |
wdLineSpaceMultiple | 行間を倍数で設定する | 可 |
wdLineSpaceSingle | 行間を1行に設定する | 不可 |
間隔の数値の可・不可設定については後述します。
使用例
①行間設定を1行にする場合
Public Sub 選択範囲の行間設定を調整する() '1行 Selection.Paragraphs.LineSpacingRule = wdLineSpaceSingle End Sub
②行間設定を1.5行にする場合
Public Sub 選択範囲の行間設定を調整する() '1.5行 Selection.Paragraphs.LineSpacingRule = wdLineSpace1pt5 End Sub
③行間設定を2行にする場合
Public Sub 選択範囲の行間設定を調整する() '2行 Selection.Paragraphs.LineSpacingRule = wdLineSpaceDouble End Sub
ここまではいずれも1行マクロであり、特段注意すべき点はありません。
④行間設定を固定値で設定する場合
Public Sub 開いている文章の固定値を16ptにする() With ActiveDocument.Paragraphs .LineSpacingRule = wdLineSpaceExactly .LineSpacing = 16 End With End Sub
上の①~③と違う点は、対象を「選択範囲」から「文章全体」にしている点と、間隔の数値を指定している点です。選択範囲を対象とする場合は「Selection」、文章全体を対象とする場合は「ActiveDocument」とします。間隔の数値は「LineSpacing」で指定します。固定値、最小値にする場合は、間隔の数値を数字で入力してかまいません。
⑤行間設定を最小値で設定する場合
Public Sub 開いている文章の最小値を12ptにする() With ActiveDocument.Paragraphs .LineSpacingRule = wdLineSpaceAtLeast .LineSpacing = 12 End With End Sub
なお、マクロでは間隔の数値(LineSpacing)に対して0を指定することはできません(下図のようにエラーが出ます)。「最小値0pt」のように設定したい場合は手動でやるほかありません。
⑥行間設定を倍数にする場合
Public Sub 開いている文書の行間設定を倍数3にする() With ActiveDocument.Paragraphs .LineSpacingRule = wdLineSpaceMultiple .LineSpacing = LinesToPoints(Lines:=3) End With End Sub
4行目の「LinesToPoints(Lines:=3)」は、倍数で行間設定する場合に指定します。「Lines:=」の部分は省略可能で、単に「LinesToPoints(3)」としてかまいません。また、「LinesToPoints(Lines:=1.6)」のように小数での指定も可能です。詳しくは、数値の単位についてを参照してください。
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